
世界同時株安時に起こりやすい負の連鎖
世界同時株安が発生すると、一つの市場の下落が他市場へと波及し、さらなる売り圧力を生む悪循環(負の連鎖)が生じやすくなります。
この負の連鎖は、投資家心理、機関投資家の自動売り、金融市場の仕組みなどが複雑に絡み合って発生します。
「世界同時株安の主な要因」
(1) 悪材料発生や突然の株価急落により投資家心理の悪化(パニック売り)
- 株価が急落すると、投資家の恐怖感が高まり、損失回避のために売りが加速。
- 「他の投資家も売っているから、自分も売らなければ損失が膨らむ」という集団心理が働く。
- 特に、リーマンショックやコロナショックのような歴史的な暴落時には、人々が市場に対して極端に悲観的になり、売りが殺到した。
(2) リスクパリティ戦略の売り
- リスクパリティ戦略を採用するファンドは、ボラティリティ(市場変動)が急上昇すると、自動的にポートフォリオのリスクを調整するため、株の売りを加速する。
- ゴールドやビットコインも自動的に売られる。
- 株価急落 → ボラティリティ上昇 → リスク調整のための売り → さらなる株安という悪循環に陥る。
(3) マージンコールによる強制決済
- 信用取引(レバレッジ)を利用している投資家が、株価急落により追証(マージンコール)となり、追加資金が必要になる。
- 追加資金を入れられない場合、保有資産が強制的に売却され、さらなる下落を招く。ゴールドやビットコインも換金売りの対象になり大きく売られる。
- 例)2020年3月のコロナショック時や2024年8月の令和のブラックマンデー時は、多くの投資家がマージンコールを受け、パニック売りが拡大した。
(4) アルゴリズム取引・高頻度取引(HFT)の影響
- 現在の市場はアルゴリズム取引(AIによる自動売買)が支配的で、価格が一定の閾値(いきち)を超えると、連鎖的に売りが発生する設計になっている。
- これにより、市場のボラティリティが急激に上昇し、瞬間的な大暴落(フラッシュ・クラッシュ)を引き起こす可能性場合がある。
- 例)2010年のフラッシュ・クラッシュでは、米国株式市場が数分間で10%以上急落し、日経225CFDも暴落したが、その後急反発した。株式市場だけでなく、ドル円やゴールドでも起こる。
「世界同時株安時の負の連鎖のメカニズムと大逆転」
以下のような流れで、負の連鎖が発生しやすくなります。
STEP 1:株価急落 → 投資家心理悪化
- 市場の急落を目の当たりにした投資家がパニックに陥り、売りを加速。
- 「逃げ遅れたら大損する」という心理が働き、冷静な判断ができなくなる。
STEP 2:リスクパリティファンドの売りが加速
- ボラティリティの上昇をトリガーに、リスクパリティ戦略を採用する機関投資家が保有株を売却。ゴールドやビットコインも売られる。
- これにより、さらなる株価下落を引き起こす。
STEP 3:マージンコール発生 → 強制決済
- 株価下落により、信用取引を行っている投資家がマージンコールを受ける。
- 追加の証拠金を入れられなければ、証券会社が強制決済を実施。ゴールドやビットコインも換金売りの対象になる。
- これがさらに市場の下落を加速。
STEP 4:ヘッジファンドのロスカット売り
- ヘッジファンドはボラティリティが急上昇すると、リスク管理のために資産を縮小。
- これにより、さらに売りが加速し、市場全体が弱気ムードに。
STEP 5:債券市場・為替市場への波及
- 投資家がリスク回避のために、現金化、米国債に資金を移動。有事のドル買い。
- これにより、リスク資産(株式・企業債)が売られ、世界的に資金が逃げる。
STEP 6:中央銀行・政府の介入
- 市場の急落が続くと、中央銀行が金融政策を調整(利下げ、QE実施)。
- その結果、金融相場が開始し、急激な株価上昇が開始する。
今年の相場も少なくとも2回は上記のような世界同時株安で投資家に恐怖を与えるような相場が来る見込みです。
その都度材料は違いますが、相場の流れは上記のような既定の流れがあります。
そして、悲観の中で絶好の買い場が来るのがいつものパターンですので、今年の相場もこれをしっかりと捉えて利益を狙う方針です。
ビットコインも世界同時株安の時には連動して暴落しやすいですので、その後に絶好の買い場が来ます。
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