上昇相場が長く続いた時に起こりやすい罠
●上昇相場が長く続いた時に起こりやすい罠
日経平均が下降トレンドを描いている時は、
地合いが悪いですので、投資家も下値警戒を続けますが、
日経平均の上昇トレンドが長く続く場合は、
次第に楽観的な見方が増えていき、
「持たざるリスク」が意識されることになります。
株価が毎日上昇し続けると、
焦りから、「早く買わないと儲け損なってしまう」と考える投資家が増えますが、
そのような時に新たな好材料が出ることも多いです。
その結果、高値で買ってしまう投資家も増えることになりますが、
その買い注文が約定するということは、
逆に売り注文を出している投資家がいるということになります。
その売り注文を出している投資家には、相場を動かすような大口投資家もいます。
そのような大口投資家は好材料が出た時や投資家心理が総楽観の時に高値で売り抜けてしまいます。
好材料が発生し、投資家心理が楽観的になり、買い注文を出しやすい環境であれば、
大口投資家にとっては利食い売り注文を出しやすい環境になります。
何もない時に大口投資家が利食い売り注文を出してしまうと、
相場がすぐに下落してしまいますので、
自分が利食いする前に相場が瞬く間に下がってしまう恐れがあります。
そうならないようにするために、大口投資家は好材料が出て、
投資家心理が楽観的な時に売り抜けることを狙います。
もしくは、先物買いで相場が下げないようにしながら、
現物売りを出して利食いを進めていくこともよくあります。
いずれにしても、上昇相場が長く続き、
相場がピークを打つ局面では、
「持たざるリスク」が意識され、
投資家心理は総楽観となりますが、
大口投資家の買いがほぼ出尽くしている場合には、
好材料が出ても、そこで大口投資家は利食い売りしている可能性が高いため、
高値掴みをしてしまうと、まんまと大口投資家の利食い売りの相手に相手になってしまい、
その後は買い手がいなくなりますので要注意です。
この9月、10月、11月の3か月間でみると、
海外投資家は先物と現物の合計で3兆円以上買っておりますので、
「上昇相場が長く続いた時に起こりやすい罠」として、
上記の点は注意しておいた方が良いでしょう。