暴落相場で完敗したドリームチーム
相場の暴落は毎年起こりますが、
現時点では日経平均は4年に一度起こる規模の波乱相場、
NYダウは10年に一度起こる規模の大波乱相場となっております。
相場で勝ち抜いていくためには、この暴落相場をいかにして乗り越えていくかが重要になります。
そして、暴落相場で生き残るためには、
1998年のロングタームキャピタルマネジメント(LTCM)の破綻について理解をしておかなければいけません。
LTCMはかつて存在していたヘッジファンドであり、
ドリームチームと呼ばれ、立ち上げ当初は驚異的な成績を残していました。
しかし、その後は多額の負債を抱えて破綻してしまいました。
LTCMはなぜドリームチームと呼ばれ、投資家の期待を集めたのでしょうか?
それは、LTCMの運用チームにノーベル経済学賞の受賞者達が名を連ねていたからです。
LTCMは多くの投資家から多額のお金を集め、
卓越した金融工学を駆使し、
立ち上げから当初4年間の運用は上手くいきました。
しかし、1997年のアジア通貨危機を契機として
1998年のロシア財政危機とその後のデフォルトと、
LTCMの想定外の相場が連鎖的に起こり、
あっという間に破綻してしまいました。
標準偏差でいうと、5標準偏差が7000年に一度の頻度、
10標準偏差が数百億年に一度の頻度となりますが、
金融市場では、これが3~4年に一度や、10年に一度の頻度で起こります。
LTCMはこの金融市場の罠にはまってしまったといえます。
まさに、それまで長く続いていた上昇相場が、
ピークアウトし、その後の暴落であっという間に
上昇分を吐き出して元の木阿弥になってしまい、
さらに下落が続き、仕舞いには上場廃止になってしまった個別株のような運命をたどってしまいました。
これがドリームチームと言われたヘッジファンドLTCMの末路です。
このことから考えておきたいこととして、
相場はプロ中のプロであっても想定できない値動きを起こすことがあるということであり、
あるきっかけでそれまでの運用益を吹き飛ばしてしまい、
さらには瞬く間に退場に追い込まれてしまうようなことが
起こり得るということです。
このことを理解したうえで、相場から退場に追い込まれることを防ぎ、利益を上げることを考えていかなければいけません。
相場の世界では、社会的地位や、実社会での経験則がまるで役に立たないどころか、むしろそれがマイナスに作用してしまうこともあります。
例えば、明らかに自分の予想が外れ、売買戦略も失敗しているのにも関わらず、プライドが邪魔をしてしまい、
なかなか負けを認めることができず、損切りが遅れて多額の評価損を抱えてしまい、最後には底値で投げ売りしてしまう事も起こり得ます。
社会的に成功した人ほど、なかなか負けを認めることができず、上述のLTCMと同じ失敗を犯しやすい傾向があるため、要注意です。
相場の世界に足を踏み入れれば、誰もが最初は1年生から
スタートすると考え、相場の基本や習性を学び、勝つための相場力を磨く必要があります。